【おかんな日々】当たり前でない事の苦悩・後編【子育て記録】

2017年04月04日

ただただ「目的地(行った事のない道の駅)に着く」という「目的」だけのために 娘の面倒は母に任せ、取りつかれたようにドライブをする月日が過ぎていきました。   後編です。(前編はこちら)   思えば、この時はまだアドレナリンやらドーパミンやらが出まくっていた時期でした。 「とにかくなんとかしないと」 そんな思いを覆い隠すように。何かをしていないと不安に押しつぶされそうになりながら。   「子どもたちが遊ぶ様子をほほえましく見守る」   そんな事は不可能でした。 常に後ろにぴったりくっついて歩く、手をつないで歩く。 「危ない」「怖い」「恐ろしい」が分からない息子には危険だらけの外出。   夫婦で子どもたちを見守る家族を見るたびに、仕方がないと分かってはいても 「どうして…」という思いがよぎる事もありました。 CMで見るような、テレビで見るような、当たり前の「家族の風景」。 当たり前でない事を悲観はしませんでしたが、「当たり前」がいかに難しい事なのかを、思い知らされた日々でもありました。   「遊園地へ行った」 「公園へ出かけた」 「旅行へ行った」   どれも手の届かない日常。 周りからそういった話を聞くたびに、何よりも娘への懺悔の気持ちが膨らみました。   「皆が当たり前にしているレジャーに、連れて行ってあげなくてごめんね。」 「お兄ちゃんに合わせる生活ばかりでごめんね。」       張りつめた糸が切れそうになった頃、児童デイサービスが放課後等デイサービスに変わりました。 それにより今まで平日で使い切っていた行動援護が、土日にまわせるようになりました。 息子は、行動援護であちこちのイベントへ出かけるようになりました。 「近鉄まつり」 「トミカ博」 「公園」 「BBQ」 「ハイキング」   同時に、娘と、娘だけと過ごす時間が出来ました。   「預ける事は可哀想」 事業所へ息子をお任せする事を、躊躇した時期もありました。 しかし、そうして過ごす事は、娘にとっては「可哀想」じゃないのか? 沢山の自問自答を重ねました。 吹っ切れたのは、前編で「緑の景色を見せると~」と教えてくれた主治医の言葉でした。     「何言ってるの!親が死んでからの人生の方が、この子にとって長いのよ!!」     今から親以外の人と過ごす習慣もつけておかないといけない。 自力で生活するにも、手を借りて生きるにも、一人ですべてできる訳ではない。 だからこそ、地域と溶け込むためにも、「お母さんじゃないとダメー!」という状況にしないためにも。   息子がいたからこその「当たり前への感謝」。 娘がいたからこその「苦悩からの脱出」。 そして、「明るいおかん」への日々が本格的に始まりました。
栗本 薫 ボイスデザイナー

栗本 薫 ボイスデザイナー

「声はあなたの武器になる」 という理念のもと「姿勢・呼吸・発声・発音・話し方」の5つを柱とした「ボイスデザイン」を提唱。 声楽・司会・ウグイス嬢などを通じて、声の勉強・トレーニングをし、その人・その場に合った声を見本として見せる指導が出来る。 企業研修をはじめ、経 営者や議員、講師などの「声の指導」にも力を入れ、数多くの「話す悩み」を解決。 「どの話し方講座より、ここに最初に来るべきだった」「発声や発音をこんなに分かりやすく教えて貰ったのは初めて」と評価を得ている。

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