ボイトレ思考

司会者のための主催者に喜ばれる司会進行ポイント 寝ても覚めてもボイトレ思考ー第39夜ー

 

「司会」って何をする、どんな存在?

冠婚葬祭・各種イベント・発表会・総会・個人演説会(決起集会)等々…。
司会が必要となる場面は多々ありますよね。奈良県でもたくさんの司会者が活躍されています。ましてやイベントごとの多いお隣の大阪など都市部では更に数多くの司会者さんがご活躍。個人的に色んなかたの司会を聴くのが大好きです(勉強になります)。

さて、タイトル通り「司会」ってどんな存在でしょう?
読んで字のごとく「会を司(つかさど)る」のが「司会」。

こう読むと「会を司る」=「会を仕切る」というイメージが湧くかもしれません。確かに、司会ひとつでイベントのイメージがガラッと変わる事はままあります。
ただ、栗本が個人的に思う「司会」は、あくまでも「進行係」。主役はあくまでも「イベント」。滞りなく進行をすることが、司会者の役目になります。

司会進行!出発進行!檀上を何度も昇り降りするのは正解?不正解?

先日のとあるイベントでの一場面。
この時はイベント最終版のビンゴゲームでした。

実は、栗本がこのイベントで舞台壇上に立ったのは、最初の開会セレモニーとこのビンゴゲームの時のみ。後はずっと舞台袖からアナウンスをしておりました。

今回は11団体、100名を超える出演者。1団体が終わるたびに、ステージへ昇り降り…は時間の無駄も甚だしい状況です。

司会のお仕事が「壇上で紹介するだけ」であれば、何度も昇り降りも良いでしょう。今回は、ステージとステージの合間に、会場内の出店店舗(たこ焼きとか唐揚げとかボールすくいとか)を紹介するという任務もありました。

この場合は、それこそステージ壇上で喋る事にしがみつくよりも、会場をマイクを持って走り回る事が重要です。

音響さんには最大限の敬意を払い、マイクは丁寧に扱う

場所により、音響さんも様々です。
会場に入れば、音響さんには必ずご挨拶。自分の声を届けて下さる、プロフェッショナルです。では、会場によってどんな場合があるのかいくつか例題をあげてみましょう。

ホテル・宴会場

ホテルの場合は、ホテルスタッフさんが音響を担当されている場合が多いです。先にマイクテストなどもしてくださってますが、自分でもマイクのチェックは行いましょう。会場が空の時と、お客様でいっぱいになったときの声の響き方も予想しておくことが重要です。

コンサートホール・発表会

こちらは、そのホールに専属の音響さんがいらっしゃる事がほとんどです。ホールの事を知り尽くしてらっしゃるので、影アナマイクも含めて分からない事があれば素直に質問しましょう。有線マイクや無線マイクの有無や本数なども、本番前の打ち合わせで確認しておくといざという時に慌てなくてすみます。

屋外・イベント会場

屋外の場合は、音響さんが外注で入ってらっしゃる事がほとんどです。職人気質の方から、ご本人が司会できるんじゃ!?という方まで様々。上で書いた例のように、会場内(屋外)を走り回る場合、無線マイクの有効範囲はどこまでか?なども含め、事前にしっかり確認しましょう。

また、雨模様の時はマイクの取り扱いにも十分注意が必要です。音響さんにとっては司会者以上にマイクは「商売道具」。雨に濡れる場所に放置しないように、細心の注意を払いましょう。

また、体育館や大きめの宴会場などのイベント会場でも、物陰・特定の柱の陰だけはどうにも無線マイクの電波が届かない!という場合があります。それも含めて出来るだけ早めに会場に入り確認する事が重要です。

司会者に求められる「打ち合わせ力」

この写真の時は、映画上映前の監督と主演俳優さんの舞台挨拶がありました。映画は「忍性」という奈良で生まれたお坊さんの物語。監督は秋原北胤(あきはらほくいん)氏、主演は和泉元彌氏。

この時、監督の秋原さんと主演の和泉元彌さんの会場入りは、なんと開演15分前!!

大物相手になかなか大変な…!と思われるかもしれません。ただ、なんとなく想定しておりました。それこそ移動距離が半端ないお忙しいお二方。
質問事項はあらかじめ用意し、どうご紹介するかのパターンもいくつか用意。

結果、大きな混乱もなく進行を務めさせて頂く事ができました。(この後、橿原神宮への参拝をご一緒させて頂いたのが、とても光栄な思い出です!)

台本がある場合・ない場合

この舞台挨拶の司会進行時は、台本はいっさいありませんでした。
ですので、よく見ると私の手にメモが…!(恥ずかしい失態です)

他にも、台本を頂ける場合といただけない場合があります。台本がなくとも、流れが分かればそんなに難しい事ではありません。(あくまでも基本的なご紹介方法や敬語の使い方をマスターしている場合です)

例えば、この金峯山寺での奉納演舞の際の司会も台本はありませんでした。(この場合、金峯山寺さんの事を調査し、演舞の内容と主催団体の想いが繋がるように、事前に文章を用意して臨んでいます。)

では、台本を頂ける場合はどうでしょう?台本通り進めておけばOK?
それでは司会者とは言えないと栗本は思います。

例えば、冒頭で紹介したイベントの台本。
台本では

続いて〇〇〇のみなさんによる△△△のステージです!
〇〇〇さん、よろしくお願いします!(マイクを〇〇〇さんに渡す)〇〇〇さんありがとうございました!

という記述が、(一部を除く)すべてのステージの間に記載されています。

これをこのまま「分かりましたー!」で読んでいるようでは司会者とは(以下略

ではどうすればよいのか。
必ず出演前の団体(個人)に、台本はこのように頂いておりますが、いかがいたしますか?
と確認に参ります。

  • マイクを(台本通り)お渡しして良いのか
  • 追加する紹介文はあるか
  • 音楽開始のタイミング
  • 2曲目以降は開始時に音響さんにアイコンタクトか、間にマイクで話をされるか
  • ハケる時(舞台から降りる時)に何か特別な紹介(次回の舞台やイベントなど)が必要か

等々、色々確認事項があります。
実際に、この時も団体によって紹介文を追加したり、トラブル発生時にはほかの方法を提示しました。
例えば、持ち込みのCDが音飛びで鳴らない事もあったりします。その場合もう一度最初の曲を演奏(もしくは踊る)されるか確認して即アナウンス。「場をつなげる」事も、司会者の重要な「進行ミッション」です。

電報にはふりがなを「えんぴつ」で「ひらがな」でふる

式典などでは祝電を、葬儀などでは弔電を読むこともしばしば。この時、間違えられないのが送り主の社名・肩書・名前の三点セット。

読み方はこうかな?と思っても、できればすべて主催者に確認を行いましょう。ええ!?この読み方?というかなり意外な読みの社名も存在します。

また、お預かりした電報類は最終的に主催者にお返しするもの。振ったふり仮名が簡単に消せるように、ふりがなは「えんぴつ」(シャープペンシル可)で。フリクションのボールペンはおススメしません。消しゴムも、常備(携帯)しておくと良いでしょう。

また、ふりがなそのものも、面倒でも「ひらがな」がおススメです。カタカナだと、シとミとツの区別がつきにくい場合があります。自分で書いておいて自分であれ!?とならないためにも、用心するに越したことはありません。

何度もリピートされる司会者になるために

司会者の心得をいくつかのポイントにわけてお伝えしました。奈良県には司会者がたくさんいらっしゃいますが、意外と大阪からわざわざ呼んでこられる団体さんも多いのが現状です。
奈良の司会者のスキルアップに、お役に立てれば幸いです。

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