参議院議員選挙と吉本興業と話し方
見事に対照的な事例(記者会見やインタビュー)がほぼ同日に放送をされていました。
選挙の結果や、会社の行方…はこの際さておいて。
言葉の使い方や話し方、話す姿勢がどう対照的だったのかを詳しくみていきましょう。
大阪で当選した維新の議員おふたりの場合
当選後のインタビュー。
女性の議員さんは、一言ずつきっちりと間をおいてしっかりと前を見つめて話してらっしゃいました。男性の議員さんは、途中に「えー」「まぁ」「ま」がちょいちょい入っている状態でした。
吉本興業の弁護士さんと社長さんの場合
会見での受け答え。
社長さんは、もはや何を喋っているか、何を言いたいのか聞いている方が努力しても分からない状態に。弁護士さんは、恐らく記者の質問すら聞き取れていない(うわの空)状態でした。
聴き手が「イラッ」とする話し方に見る共通点
最初の女性議員さん以外は、言うなれば「良くない例」として講座では紹介される典型のようなもの。その「良くない原因」を詳しくみていきましょう。
男性議員さんの場合
- 当選したらこれを話そう!という事を頭の中でまとめ切れていなかった。
- 大阪で二人当選…!というプレッシャーから解放されて、最後まで張りつめて居ることが難しかった。
- 選挙戦の疲れがドっと押し寄せていて、話す気力が保たなかった。
- そもそも、ケバ(言葉のケバについてはこちらの記事を参照)が多いタイプ。
社長さんの場合
- そもそも喋るのが苦手。
- 更に会見まで時間がなく、練習が足りていなかった。
- どう説明すればいいかと思うあまり、話す一文が長すぎて最初と最後の整合性がとれなくなった。
- 感情を抑えきれず、途中で弁護士さんに丸投げに。
弁護士さんの場合
- 目線を報道陣に向けていない
- 記者から目をそらすために、不自然に首を動かしている
- 緊張しすぎで質問を聞くだけの余裕が全くない
- 滑舌がまわっていない(顔が強張っている)
まだまだありますが、まとめるとこんな感じになります。
話が堂々巡りになる原因と対策
一番イラッとするポイントとして挙げられるのが
- 話が長い
- 上から目線のように見える
というところ。
ではこれをどう解決すれば良いのでしょう?
話が長い!を解決する。長くなる原因と簡単な対策方法。
この原因は、話の一文が長くなることで、自分が最初に喋っていたことを自分で忘れてしまうというところにあります。
以前【この人のここがすごい】小泉進次郎さん②【スピーチ力UP】でも紹介した一文を短くする技術。
これが出来ていないと、ひらすら「~で、~で、~で」と延々と文章が終わらないという事も。
特に、ありがちな例題をご紹介します。
1分間自己紹介!と言われて、5分は話してしまう人の例
「私の名前は○○で、仕事内容としては△△を中心に活動していて、思いはたくさんあるんですが、一番言いたいと思っているのは「皆さん□□して下さい」という事で、それを広めるために色々がんばっていて、ただなかなか上手く皆さんにお伝え出来ないのでどうしたら良いのか考えているのですが、子育て中で忙しくてなかなか手がつけられないなかで、なんとか家族の協力も得ながらと思っていて、今回は皆さんに思いを伝えたり活動を始めたきっかけとかの話とか色々共有出来たらいいなと思っているんですが、私すごい口べたでなかなか上手く伝えられなくて…」
書いていて嫌になってきました(笑)
けれども、周りにいらっしゃいませんか?こういう話し方をする方。これに更に「えーっと」とか「あのー」が入ると、最悪です。
お気づきでしょうか?
読点(、)はあっても句点(。)がない。延々と一文が続くので、どこまでをどう真剣に聴いて良いのか分からない。まさに聴き手に負担をかけまくるこの話し方。
自分でも何を喋っているのか分からなるので、注意が必要です。
先ほどの例題を文節を短く区切って直してみると
「私の名前は○○です。
仕事内容としては△△を中心に活動しています。
思いはたくさんあるんですが、一番言いたいところは「皆さん□□して下さい」という事になります。
それを広めるために色々がんばっています。
なかなか上手く皆さんにお伝え出来ないので、毎回試行錯誤しています。
子育て中で忙しくてなかなか手がつけられないなかで、家族の協力も得ながらの活動。
今日は、私だけでなく皆さんが活動を始められたきっかけ等、情報交換出来ればと思っています。
口べたでなかなか上手く伝えられませんが、どうぞよろしくお願い致します。」
細かく日本語を直すとキリがないので今回は割愛で。
随分変わったのが分かりますでしょうか?文節を短く、伝えたい事を伝わるように話す。
これはとても大事なこと。
相手に「聴いて貰える話し方」をする事が、何より肝要です。
上から目線のように見える!を解決する。姿勢と顔の向きで誠実に見える方法。
上から目線のように見える姿勢、それは顎を上げて上から下へと目線を落としている時。また、身体は正面を向いているのに、顔が斜め上の位置にある場合も同様です。
解決方法としては
- 質問に対し、質問者へ「はい」と質問を受け入れたというサインを返事で送る。
- 質問者や、話したい相手の顔をしっかり見て答える(目線を合わせる)
- 資料を持つ時は出来るだけ胸の前で。お腹の前だと下を向きすぎる事になり、上目遣いで話しがちになるため感じが悪くなります。
- 胸を張るのではなく、自然と顎が引ける姿勢で立つ(座る)。
(姿勢についての詳しい記事は【猫背が原因?アゴが上がった写真うつり防止!顎を引く癖をつける方法 寝ても覚めてもボイトレ思考ー第28夜ー】)
となります。
もちろん
- ぶっきらぼう(無愛想)に話す
- 質問と違う答えをする
などは、論外です。
しばらくニュースで話題沸騰となる案件が目白押しですが、ぜひボイトレ・ボイスデザイン目線でも眺めてみてくださいね。