明るいオカンの作り方

こどもの世界

 

病み上がりでなんとか過ごしている栗本です。
今年の風邪は咳が長引きます。
皆さん本当にご自愛くださいね(((´;ω;`)))

 

春休みになって、毎日デイに通う息子。
お迎えの車には、仲の良いお友達が先に乗っている事もあります。

 

どちらかと言えば、大人との関係性を優先していた息子。
同級生や、同年代のお友達とは「一緒に遊ぶ」という事がずっと難しい状態でした。
今でも「同じ空間にいる」けれども、「一緒に遊んでいる」とは言い難い感じです。

 

そんな息子の事を「大好き!」と言ってくれる年下の男の子。
言葉でのコミュニケーションも達者で私にもよく話しかけてくれます。
いつも明るくて、笑って手を振ってくれるその男の子(Aくん)。
息子が小学部の時はお昼休みにもう一人のお友達と一緒に3人が「自分のお気に入り」自転車で中庭を
走り回るのが日課。先生からは「毎日中庭でブイブイいわせてますよー!(笑)」と言われるほど
仲良く3人で自転車を爆走させていたそう。(もちろん、先生がついてくださってるので、他のお子さんに
ぶつかったり怪我したりが無いように配慮されています)

 

 

ある日、Aくんが息子に言いました。
「トモくんお願い!!どうしてもその自転車が乗りたいねん!」

 

いつもはそれぞれに乗る自転車が決まっているのですが、その日はAくんがいつも息子が乗っている
色の自転車に乗りたい!と思ったのだそう。

 

それはそれは上手なお願いの方法で、顔の前で手を合わせて「お願い!」と言うAくん。
【いつもと違う】事が苦手な息子。
たっぷり5分は考えて…「んっ!」といって自転車を渡したんだそうです。

 

「トモくんありがとう!!」

 

満面の笑みを見て、納得したようで納得しきれていなかった息子は、中庭の隅にあったベンチを
「どうりゃ!」
とちゃぶ台返し。

「トモくん、よく頑張ったよ!!お兄ちゃんとして譲ってあげたんだね!偉かったよー!!」

と先生に褒められつつも、涙をためて歯を食いしばっていたそう。

家に帰ってから連絡帳でそれを知った私も「よく頑張ったね」と抱きしめました。

 

 

相手に当たらずに、モノに当たった息子。
「モノにあたるのは、これから少しずつ指導していきます。まずは人に譲る事ができたこと。これが何よりの成長です。」

 

先生からは、そんな言葉をかけて頂きました。

 

これが、ベンチをひっくり返したことをもし責めていたら?
きっと、2度と息子はお友達に何かを譲るという事が出来なくなっていたでしょう。
出来たとしても、時間がかかってしまっていたと思います。

 

本当に、先生方の対応の素晴らしさに、感謝感謝の出来事でした。

 

 

 

お次は娘。

学校が楽しくて楽しくてしょうがない娘は、長期休みなんざいらん!というほど学校好き。
お友達も多くて毎日楽しそうです。

 

そんな娘でも、日々の中では多少の小競り合いがあるようで。
「あーもうっ!!」
といった感情をあらわにすることもあります。

 

とりあえず、娘に話を聴くのは風呂タイム。
とにかく聴く。興奮して何を喋ってるのかさっぱりな時もありますが、そこはツッコミながら聴きます。

娘は「自分で最終的にどうしたいか」が分かっているタイプなので、よっぽど「どうしたら良いのか分からない」
という時以外は「そうなんや~。それは大変やなぁ。」で済ませられます。

 

稀に「なんで!?」となっている時には、とりあえず娘本人に
「それってなんでやと思う?」「なんでそんな事言いやった(行動した)んやろう?」
と聞いてみます。

「多分○○やからやと思う!」

 

何かしら答えが返ってきます。
「そうやなぁ。なんでその○○になったんやろう?」

どんどん突き詰めていって、最終的には「じゃあ次同じことあったら、どうする?」と聞くと。

「私は○○すると思うけど、他の子はわからへん。」

 

随分冷静になってきます。

 

「そうやな、わからへんよな。けど、あなたはそうしたらええんちゃうかな?」
娘は他のお友達と一緒の動きをしないと不安、というタイプでは「ない」ので、自分で「こうする」と決めると後は楽になります。

 

「うん。そうするわ。」

 

「もし、それで他の子がやいやい言うてきたら、またお母さんに話してな。
我慢できへんかったら、お母さんなんぼでも(学校)行くさかいな。」

 

娘には、小さい頃から「あなたに危害を加える人がいたら、お母さんは全力で(相手を)たたきつぶしに行く」と宣言してあります。

 

「わかった。」

 

結局、自分で解決して帰ってきて、またそれを話してくれます。

 

「これこれこうで、こうなってん!」

 

「へ~!そうなったんや!よう頑張ったやん!」

 

 

子どもには子どもの世界があります。
「それやったらこうしたらええやん!」と思う答えを言うのは簡単ですが
自分が子どものときとは時代も環境も違います。

 

まずは、今の子どもの状況を受け容れる。
相談されたからと言って、すぐに「解決する」方向を目指すのではなく
「解決しようとしてくる」姿を見守れるかどうか。

 

子どもたちの自尊心をくじかないために、「子どもには子どもの世界がある」事を
忘れないようにしたいと思っています。

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