明るいオカンの作り方

居場所つくり②

 

「あ~!こっちこっち!まぁここ座って~!!」

狐につままれるとはこの事か?
いや、部屋を間違えたのか?

想像を超える世界がそこにありました。

 

というわけで前回の続きです。

 

明るい声と笑顔で迎えてくれたのは、1年早く並行通園に参加していた一つ年上のお子さんのママ。
そして、同じく前年から参加していた数名の方と、その年からの新しい数人で1年が始まりました。

 

母子別室が故に、子どもの前では話せない事や、家での様子や困りごと、何でも皆で話す事ができました。
「うちはこんなんで~」「あ!うちもうちも!」
「うちはこうやったらうまいこといったよ!」
「うちはそのやり方あかんかったわ~~!!」

 

自分だけ、我が家だけ。
そう思っていた事が、実は皆が困っていた事で、皆が悩んでいました。
それぞれに通って来た道で、解決策を持ち寄り、皆で考える。
悩みや愚痴も、沢山の人に聞いて貰う事で、いろんな考え方を知る事ができました。
そして、毎回ひとり1つ、大袋のお菓子を持ち込んで、9人の保護者がいれば9種類のお菓子が目の前に並ぶ。
1週間に1度のこの日が楽しみで楽しみで!
バレンタインの時期にはチョコレート系のお菓子が多くなる中、塩系(おせんべい等)を持って来たママさんは一躍ヒーローに(笑)

ちなみに、今ではお菓子の持ち込みは禁止となったようです。残念。

 

並行通園は、月曜日を除く火曜~金曜の週4日ですが、何曜日に通う事になるかは希望が通るわけではなく、
園側の振り分けによって決まっていました。
毎年クラスの入れ替えはありましたが、ありがたい事に素敵なママさんたちに囲まれた3年間でした。

 

そして、この時の経験が、今のKissA-きっさ-に繋がります。
どんな悩みも、誰かに聞けば解決できる。すぐに解決できなくてもヒントは得られる。
何より、話が出来る、相手がいる。

 

「いつかこんな集まりを作りたい」

 

診断されたばかりで、子どもの手を引いてこのまま…と悩むお母さんに、「大丈夫だよ!」と伝えたい。
冒頭で声をかけてくれたママさんは、今でも私のメンター的存在です。
「なんだ、障がい児を育てているからって、暗くならなくていいんだ!」と教えてくれた、大切な友人です。

これを読んでくださっているあなたにとっても、私にとっての彼女のような人がきっと見つかります。
だからこそ、諦めずに、悲観せずに、一歩を踏み出して欲しい。

 

どんなに今がつらくても、きっとすべてのひとにすてきなあしたがやってくる。
それを信じられたのは、この並行通園での数年があったからでした。

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