明るいオカンの作り方

【ぱ~ぷるママ+】明るいオカンの作り方⑩【1月掲載】

 

こんにちは!株式会社のぎす栗本です。
重度知的障害・自閉症・多動傾向を抱える息子「ともくん」(中3)と定型発達の娘「あーちゃん」(中1)と実母、そして猫3匹と暮らしています。
障害児を明るく育てる方法は、定型発達のお子さんにも有効な事が多いと感じています。「これはうちの子に使えそう!」と思った事は是非試してみて下さいね。

本日のテーマは「いつか必ず」です。

息子が小学校1年生になったばかりのとき、「4年生くらいに自分の名前が言えたらいいなぁ~」と思っていました。
そして「6年生、いや、中学くらいかな。自分の名前がひらがなでも書けたらいいなぁ~」とも。

実際には、その1年生の1学期の終わりに両方とも出来ていました。
これはもうただただ驚くしかありません。
「先生、いったいどんな魔法を使ったんですか?」と真剣に問いかけました。

親の気持ちと、諦めと

障害があろうがなかろうが、大切なわが子。
這えば立て立てば歩めの親心、とはよく言ったもので、それこそ幼児の頃から「早くいろんなことが出来てほしい!」と思いながら育てていました。

けれど、ついた診断は自閉症。3歳で「軽度知的障害」。
4歳で「中度知的障害」。5歳で「重度知的障害」…。
年齢とともに重くなる診断と向き合いつつ、「過度な期待より、今この子が出来ることをしよう!」と切り替えて子育てをしているつもりでした。

実際には、切り替えたところでスイッチが錆びつき「この子は出来ないから仕方ない」と思い込んでしまっていたことに気がついたのが、その1年生の1学期終わりの懇談だったんです。

前向きなようで、前向きじゃなかったことに気付く

「お母さん、大丈夫。ともくんは、出来ますよ。」

一生このままかもしれない…。これ以上の成長はないのかもしれない…。
将来が全く見えなくて、ただただ気もちまで暗くならないようにしよう!と見えもしない前を向いていた頃でした。

先生が示してくださった方向性は、遠くにでも、灯りが見えるものでした。

毎日毎日、息子の名前を呼び、1文字ずつひらがなで書けるように、黒板に点線でなぞるだけの状況を作って下さり、1文字書けたらまた次の文字。ほめて、認めて、息子の心が折れないように。
廊下ですれ違う、学年や学部が違う先生でさえも、息子の名前を呼び「おはよう!」「元気ですか?」と笑顔で話しかけてくださいました。

いつかは、会話ができたらいいな。
いつかは、言葉で意思疎通できたらいいな。

そんな思いから10年…。今や、やかましいー!!というほど何かを話しています(笑)
まだ2語文程度ではありますが、好きなことを好きなだけ喋る息子を見ると
「出来ないと思っていても、いつかは必ず出来るようになります。お子さんの可能性を、信じてください。」というあのときの先生の笑顔を、思い出すのです。

アプリにはない後日談

そんな息子も中学3年生となり、もう間もなく卒業です。
この中学生活でかなり成長した息子。

今まで「学校:事業所:家」を「3:3:4」の比率で暴れていた(笑)のですが、現在は「0:0:10」に!
外では賢く過ごせるようになったという点ではすごい成長だなと思います。

(その分、家での破壊活動がえげつないですが^^;)

そして「○○へ行きたい!」という欲求が激化(笑)
この頃は特にサインポールへの情熱が増しております。
(どうやって見つけてくるかほんとに分からないから、すごい)

気がつけば成長している我が子。
親の方がついていけなくなる日が、やってきそうです。

関連記事

TOP